6.2 関数から値を返す

ある関数が別の関数を呼び出して、呼び出した関数に制御が戻って来た時に、関数によっては値が返ってくるものがあります。

関数から値を返すには、関数の戻り値の他に、ポインタを使って、関数から呼び出し側の領域を書き換えるも可能です。

値を関数戻り値で返す

関数の定義

戻り値の型 関数名(パラメータリスト) {
  文
  ...
}

関数の戻り値で返す。

この方法では、常に1つの情報しか返すことが出来ません。
2つ以上の情報を返したい時などは不便です。

値を引数の配列に返す

配列の先頭要素のアドレスを引数にして、上位関数側と下位関数側で配列を共有し、見かけ上、複数のデータを返したようにします。

#include <stdio.h>

void waru2(int *p);

int main(void)
{
  int i;
  int dt[] = { 20, 10, 4, 35, 66, 78, -1 };
  
  waru2(dt);		/* 配列の先頭要素のアドレスを渡す */
  
  for(i = 0; dt[i] != -1; i++) {
    printf("%d ", dt[i]);
  }
  printf("\n");
  
  return 0;
}

void waru2(int *p)		/* 配列dt のアドレスをポインタp に入れる */
{
  while(*p != -1) {
    *p = *p / 2;	/* ポインタの中身を 2 で割る */
    ++p;
  }
}

 

値を引数の変数に返す

複数の変数のアドレスを引数にして、上位関数側と下位関数側でデータを共有し、見かけ上、複数のデータを返したようにします。

#include <stdio.h>

void swap(int *x, int *y);

int main(void)
{
  int a = 123, b = 456;
  
  printf("呼出し前a = %d b = %d\n", a, b);
  swap(&a,&b);		/* 変数a と変数b のアドレスを渡す */
  printf("呼出し後a = %d b = %d\n", a, b);
  
  return 0;
}

/* 変数a のアドレスをポインタx に、変数b のアドレスをポインタy に入れる */
void swap(int *x, int *y)
{
  int wk;
  
  wk = *x;
  *x = *y;		/* ポインタを使って中身を入換える。*/
  *y = wk;
}

 

引数のconst型修飾子

ポインタを使って、関数から呼び出し側の領域を書き換えるも可能です。しかし、書き換えて困る場合もある。

関数の引数を const として宣言すると、その関数が引数の値を変更しないことを約束するということを意味する。

関数の引数が const 修飾されている場合、ポインタによって参照される値を変更しようとするとコンパイラが致命的エラーを出す。

void foo(const int *x) {
  if (x != NULL) {
    *x = 3; /* コンパイルエラーを出す */
  }
  /* ... */
}

 

演習

ミニクイズ

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関数の作成演習

ABクラス:a-8-4-1-1 (p283) 文字列を大文字に変換する関数を作成してください。

CDクラス:a-8-4-2-2 (p287) 三つの整数の中身を入れ替える関数を作成してください。